2014年3月に着任した際には、前任者のアパートへそのまんま入った。引継ぎ期間中は、Andelにあるサービス・アパートに入っていたが。右も左も分からないから、これなら間違いなかろうと思ったからだ。部屋は別に悪くはない。調度品や家電、間取りまで問題はなかった。が、問題は上の階の住人にあった。
旦那はロシア人、奥さんは日本人だそうだが、常識というものが欠如していたのだ。旦那は声楽家らしいのだが、ピアノやチェロの腕前もまんざらではない。入居した当初は、『芸術の国なんだなぁ....』などと思っていた。ところが、練習を結構遅くまで、大音量で繰り返すのである。一旦迷惑な音と認識してしまうと、もう音楽には聞こえない。単なる雑音が延々22時頃まで続くのだ。
通勤のために、朝は5時に起きる。だから夜は22時頃には寝たいのに...だ。
掃除を夜になってやる。掃除機のガタガタいう音が壁を伝わって響いてくる。これも21時頃からだ。まだまだあるぞ。ベランダ掃除だ。晴れている日に、突然ベランダが滝と化すのだ。チェコでは、ベランダ掃除は目立たない雨の日にやることが常識なのだが....。
こんなこともあって、オーナーを通じて何度も苦情を言ったのだが、常識がない=悪いと思っていない....のだから、変わるはずがない。
昨年の9月に引っ越すと聞いていたので、ずいぶん我慢して待っていたのだが、どうやら引越しの件もお流れになったらしい。そりゃそうだ、あんな大音量で練習されたら、受け入れてくれる部屋なんてないだろう。で、部屋を変わることにした。
アパートのエージェントへ声をかけて、休みの日や平日の夜に15軒ほど部屋を見に行った。どれも帯に短しタスキに長し。できれば中心地で、地下鉄へのアクセスが良くて.....などなど、条件がありすぎたのだ。だんだん面倒になってきた。もうこれで最後にしようと、日本人のやっているエージェントが紹介してくれた部屋を気に入ってしまった。これは今の部屋なのだが、前の部屋がある建物の向かい側。建物の最上階(日本風には5階)にあって、すこぶる眺望が良かったのだ。
建物ができたのが2000年だから、すでに15年ほども経っているが、プラハで15年なんぞ古いうちには入らない。100年経った建物もざらにあるからだ。
結局2015年6月26日に部屋を移ることにした。
新しい部屋のオーナーはヴァイオリニストと聞いた。『へぇ~、音楽やるんだ』くらいに思っていたけど、よくよく聞いてみると、ウィーン・フィルの奏者らしい。こりゃ失礼しました。
日本への遠征も多くて、すでに15回は行っているとのこと。有名人と知り合いになっちゃったもんだ。いろいろと要望は聞いてくれるし、悪いところはさほどない。これからの任期中はお世話になるつもりだ。
ベランダからの眺めはこんな感じ。右手に見える青い建物の3階が以前の部屋。
Petřinyはプラハ6区にある高台だ。市街地(たとえばプラハ2区あたり)とは気候も若干違う。ここで雪が積もっていても、市街地は雪がなかったりする。2015年4月には地下鉄も延長されて、市街へ出るのにすこぶる便利になった。それまではトラムでハラチャンスカへ出て、そこから地下鉄に乗り換えていたのだが、今は一本で旧市街近くまで行けるのだ。土地勘もできてきていたので、わざわざ新たな地域へ変わることも面倒なんだ。
前のオーナー(オシム監督に似てる爺さん)には悪いことをしたが、既に次の日本人も入居しているようなので、ホッとしてる。
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